2026.03.08

三月八日、街に花があふれる日

ロシアの三月八日は、一年で最も街が華やぐ日の一つ。
「国際女性デー」のこの日、街には花束を抱えた男性が見られ、職場ではケーキやプレゼントが用意されます。タクシーの運転手さんからもお祝いされたりします。


ロシアで暮らしていると、社会全体が女性に対して払う「敬意」の総量に、時折驚かされることがあります。
男性は女性を助け、守るもの。女性はそれを受け入れるもの。
そんな、古くから続く騎士道のような役割分担が、この国の空気には深く根を張っている気がします。


ロシア語には、男性が女性の「お世話をする(ухаживать)」という独特の表現があります。
エスコートや細やかな気遣いが日常にあるのは素敵だなと思う反面、正直なところ「やりすぎでは」と感じてしまう自分もいます。


恋愛やパートナーシップにおいて、どちらかが一方的に世話し、どちらかが依存する。
そんな関係に上下や義務が生じてしまうのは、どこか不自然な気がするのです。
これは、日本で育った私自身の価値観が影響しているのかもしれません。


すべてを男性に委ねることが当たり前になっている女性や、義務感からか、彼女の言いなりになっているような男性の話をきくことがあります。
それは「敬意」というより、お互いが役割に縛られているようにも見えて、少しだけ複雑な気持ちになります。


結局のところ、何事もバランスなのだと思います。
「女性の日だから何かをしなければならない」という義務ではなく、日頃の感謝を伝えるきっかけとして、この日があるのならいいですね。
そんなふうに、相手へのリスペクトを自然な形で手渡せる関係が、一番心地よいのかもしれません。