ロシアバレエ団寝台列車32時間のツアー旅
ロシアのバレエ団で働いていると、
本拠地の劇場を飛び出し、国内のさまざまな都市へ
「ツアー公演」に出向くことがあります。
昨シーズンは年に2回ツアーがありました。
近隣の街へはバスで移動することもありますが、
それでも移動時間は10時間。
座りっぱなしで腰が固まってしまう、
なかなかハードな道のりです。
しかし、この秋(9月)に向かった
ロシア南西部の都市・ヴォルゴグラードへの旅は、
それを遥かに上回るものでした。
■ 32時間の「動く家」
今回の移動手段は、なんと32時間の寝台列車。
これまでモスクワへの16時間移動は経験していましたが、
丸一日以上を列車で過ごすのは人生初のことでした。
ロシアの人々にとって寝台列車の旅には
「定番スタイル」があるようで、
• カップラーメン
• パジャマ
• サンダル
この3点セットが欠かせません。
客室は4人1組の個室。
2段ベッドが向かい合わせに2つあり、
中心にテーブルがあるコンパクトな空間ですが、
同僚たちと賑やかに過ごす時間は、
どこか遠足のような楽しさもあります。
■ 独特な列車の旅路
面白いのが、列車の止まり方です。
急ブレーキの衝撃に耐えられない鉄製の車両のため、
到着の10分以上前からゆっくり、ゆっくりと
時間をかけて減速していくんです。
停車駅によっては1時間ほど止まることもあるので、
ホームに降りて散歩をし、
外の空気を吸って気分転換。
窓の外を眺めれば、
見渡す限りの不毛地帯や砂漠が広がります。
電波が届かない場所も多く、
「ロシアはなんて広いんだ……」と、
そのスケールを肌で感じた瞬間でした。
■ ツアーを生き抜く「タフさ」
32時間も横になって過ごした後に
舞台で踊るのは、至難の業。
今回は幸いにも、
バレエではなくオペラ出演だったので
体力的には大丈夫でしたが、
これを毎度こなすツアーダンサーたちのタフさには、
改めて尊敬の念を抱かずにはいられません。
■ ツアーの醍醐味は「街観光」
もちろん大変なことばかりではありません。
その街の歴史や文化に触れられるのは、
ツアーの大きな楽しみです。
今回訪れたヴォルゴグラードでは、
街の象徴である巨大な「母なる祖国像」を見学してきました。
その圧倒的な迫力には、ただただ言葉を失うばかり。
過酷な移動の疲れも、
この景色を見れば少し報われる気がします。
広大なロシアの地を巡るツアー生活。
次はどんな景色に出会えるのか、
しっかり体力を蓄えて準備しておきたいと思います!





