2023.08.09

恩師に教えてもらったこと。

私はノボシビルスクにあるバレエ学校を卒業したのですが、この時の経験と学びがなければ今の私はありません。担任であったエレーナ先生は途中で入ってきた留学生の私にも他の生徒と同じ熱量で接してくださり、本当に熱心にたくさんのことを教えてくださいました。今でも、バレエ団での事など気にかけてくれています。
エレーナ先生は上体、指先、足先の使い方が本当に美しくて目から得られる情報でも沢山学びになりました。身体の使い方だけでなく、踊り方、理論、身体のケア、精神コントロールなど、プロで生きていくために必要な事を多方面から教えてくれました。

そんな中でも今私が踊っていて特に大切にしていることがあります。それは、作品の舞台背景である国、時代、役の人間は何歳くらいで、どんな性格で、どんな家庭で育ったのか、どんな生活をしているのかを具体的に想像して踊る事です。全幕物でなくても、作品の一部を踊るときでも当てはまります。これは、作品を作った人への敬意にもなります。振り付け家は振りを考えるときに、主人公の人間性を踊りに投影しています。

同じ振り付けの踊りを踊ってもこれを考えるのと考えないのでは印象が全く変わります。そして、これはどんな衣装を着るか、どんな装飾品をつけるかも関係しています。

例えば、ジゼルは貧しい村娘の女の子です。彼女がダイヤのピアスをしていたらとても違和感があります。高価な装飾品を持っている訳ないですからね。持ってたら食の足しにするために売ってると思います笑。

この事はどんな作品を踊るにしてもどのように踊ればいいのかのヒントになります。

彼女からいただいた大切なことを心に留めて、お客さんに踊りで還元出来るように磨いていきたいです。
エレーナ先生と